渋谷教育学園渋谷中学校の卒業生に学校のリアルをインタビュー

「自調自考」時代の中心渋谷で、自由な学校生活で、一生ものの自主性を身に着ける。

インタビュー日:2023年11月15日

卒業生経歴

渋谷教育学園渋谷中学高等学校 → 横浜国立大学理工学部数物・電子情報系学科2年(インタビュー時)
社会に出てみると、(僕はまだ社会に出ていませんが)、本当にいろんな人がいて、本当にいろんな背景やいろんな考え方があるんだなと驚かされます。自分はこれまでどんな人と出会いどんな影響を受けてきたのだろう?そんなことを悶々と考える今日この頃です。 今回は、渋谷教育学園渋谷中学高等学校を卒業し、現在横浜国立大学理工学部に在籍しているAさんにインタビューしました。もともとそんなに自主性がある方ではなかったAさんは中高での人との出会いを通じて自主的に物事に取り組むようになったと言います。渋谷教育学園渋谷では、どんな人との出会いがあったのでしょう?
帰国生と過ごす学生生活。どうして僕が海外大に?
――まず、渋谷教育学園渋谷中学高等学校を選ばれた理由をお聞かせください。   渋谷教育学園渋谷中高は入試日が三日に分かれていて、三日間のそれぞれ上位の成績に入れば特待生として学費免除されるシステムがありそれを狙って三日とも受験したのですが、三回とも普通の合格になってしまい、第一志望だった聖光学院に落ちてしまったのもあってそのまま行くことになりました。 他にも、前哨戦として栄東中高を受けました。横浜市立南高等学校附属中学校も受験しました。      ――レベルが高いですね。渋谷教育学園渋谷中学高等学校について事前に聞いた情報で驚いたんですけど、海外大への進学者が出ているのが特徴の一つですよね。    そうですね。全体の一割程度が海外大に進学します。学年の一割強が帰国生なので、その人たちに影響を受けて日本人でも海外大を視野に入れる人が出てくるのだと思います。成田悠輔さんでおなじみのイェール大学に行く人も出ています。海外大への進学や、帰国生の多さなど、渋谷教育学園渋谷には海外関連の特徴が多いかもしれないですね。    ――それはすごいですね。学校側が積極的に生徒に海外大進学を勧めたりしているのでしょうか?    勧めてくることはあまりなかったと思います。受験に関しては文字通り完全な放任主義でした。全体的に海外から留学してきた中高生を受け入れたりしていてオープンな雰囲気なので、比較的に海外に触れる機会は多くなっていたと思います。日常的にその辺で帰国生の生徒同士が英語で会話しているような環境だったので。 ――すごすぎて想像できませんね。海外大に行く人はやはり上位の一握りの人だけになるんでしょうか?    結果的にそうなる節はありますが、希望すれば誰でも受験できます。進路指導で学校側に海外受験部のようなものが設置されているので、海外大進学のサポートは万全でした。
絶好調の大学進学実績。秘密は圧倒的実技の英語学習にあり?
――国内の大学進学実績も近年好調だと聞いています。進学実績の向上の要因として、進度が早いなど何かポイントがあるのでしょうか? そうですね。僕の代は東大に進学した人は30人強だったと思います。それ以外の生徒の半数が早慶などの私立に進学するというイメージでしたね。 進度に関しては、英語のカリキュラムは特殊だったと思います。自分は中学に入学した当時be動詞が何かということすら分からなくて、Hello, How are you? Fine, and you ?みたいな初歩的な会話しか分からない状態でした。なのに、初回の英語の授業がほとんど英語で、内容も「英語でディスカッションしましょう」というもの。文法すら知らない状態のなか英語で話すように中学1年から言われていました。中学3年でやっと、授業で文法を取り扱うようになって、そこで初めてbe動詞を知る、みたいな状況でしたね。進度が特別速いというわけじゃなかったんですけど、ほかにも英語の本を読む授業もあって、そういった英語を実践的に使う授業がたくさんありましたね。    ――すごいですね。週に何回くらい英語の授業がありましたか?    英語だけで3,4回くらいですかね。受験に近づくにつれて受験英語を扱う授業の割合が増えたんですけど、高校2年の前期までは英語のディスカッションや英語のプレゼンの授業がたくさんありましたね。  ――…僕だったら100%途中で挫折すると思うのですが、実際ついて行けてましたか?  分からないなりにみんなで調べてなんとかついていってました。グループワークも多く協力しやすい環境で、無茶振りされながら何とかやっていました。大学に入って最初に取る英語のプレゼンの授業を受けて、これを自分たちは中学からずっとやっていたんだなと改めて思いましたね。   ――すごすぎますね。これも特徴だと思うのですが、入学時にシラバスが冊子で配られると聞きましたが、それが勉強に役立ったということはないですか?    シラバスは配られますが、ぶっちゃけほとんど見ることはないと思いますね。大学のシラバスのように詳しく授業内容まで触れているわけではなく、文科省の教育指導要領のような、授業の目的などについて詳しく書いてありました。直接役に立つというようなものではなく、おそらく生徒200人中200人がただの「重り」だと思って即自宅に置いていると思います(笑) ――なかなか秘密が見えてこないですね。授業外に何かヒントがあるのでしょうか。塾に行く人は多かったですか?  塾に関しては早い人は中学3年くらいから行きはじめる人が一部いたと思います。とは言っても受験のためというよりは、数学が好きでもっと勉強したいからといった風な理由で、どちらかというと習い事の延長のような感じだと思います――習い事みたいな感じで数学をするんですね、すごいですね、、高校から他のところを受験する人はいなかったんですか?    いませんでしたね。渋谷教育学園渋谷は基本的に高校から他のところへ行ったり、逆に高校から渋谷教育学園渋谷に来たりするのはできないようになっていたので。大学受験が近付くとだんだん行く人が増えていって、高校3年の時点で八割くらいは予備校に通っていたと思います。私は高校1年の冬から通っていました。周りが予備校に行きだしたのと、英語が苦手なこともあったので、親と相談したうえで行くことを決めました。   ――予備校はどちらに通われていましたか?   駿台でした。予備校に行く人のうち半分くらいは鉄録会でしたが、鉄録はとにかく宿題が多くて、それを授業中にやってる人もいました。先生もそれは許可しており、高校3年の時はもうみんな内職しまくりでしたね。学校に来ない人もいました。
内職OK?すべては生徒次第。どこまでも自由な校風
――内職しても怒られないなんてすごいですね。校則も緩い感じなのでしょうか? そうですね。とにかく自由で自主性があるのが渋々の特長だと思います。校則は一応生徒手帳に載っている明文化されたものがありますが、ぶっちゃけあってないようなものと言っても過言ではないと思います。   ――髪形とかも自由なんですか?    金髪とかだとさすがにちょっとひんしゅくですけど、髪を染めている人はいましたね。制服もブレザーがあったのですが普通にパーカーで来る人もいましたし、化粧も大丈夫でした。これといった服装検査のようなものはありませんでしたね。スマホも休み時間は普通に使えます。授業中はさすがに教科書で隠してこっそり使ってますけど(笑)  ――スマホを使えるのはすごいですね。イマドキの学校といった印象を受けます。自由すぎて心配になっちゃう。    良い意味でも悪い意味でも本当に自由だったので、やらない人は本当に何もやらないしやる人はコツコツやるしで、完全に個人に委ねられる状況でしたね。   ――僕がその環境に行ったらやらない側の人間になる説が濃厚ですね。やらない人や成績が悪い人へのフォローなどはあったりしましたか?  一切なかったです。そういう意味でも自由なので(編集注:学校HPによると、中1・中2は指名補習があるとのこと)。  ――え、じゃあ留年…?  留年すらなかったと思いますね。成績が極端に悪い人もいたと思いますが、そういう人には下駄をはかせたりして何とか進級させていたように思います。留年している人は見たことがないので。  ――なるほど… 中退した人はいましたか?    中退はありましたが成績が悪くて中退というのは聞いたことはないですね。成績が悪いどころか、逆に特待生なのになぜか急に学校に来なくなってしまった人がいましたね。  ――本当に特殊ですね。成績の悪い人は目立ってしまったりしないのでしょうか?  普通だったと思います。テストで2点を取って笑いながらそれを周りに言っていじられている人とかいましたね。その人はそれでもなお勉強しませんでしたが。そういう人でもある意味許容されていました。  ――自由すぎますね、尊敬します、、 自主性でいうと、チャイムがないのも特徴の一つかもしれません。自分で時間を見なさいっていう感じでした。  ――それだけ自由だったらもしかして遅刻もないんですか?????  遅刻はあります(笑)授業の最初の点呼の時点で教室にいなかったら遅刻になります。でも遅刻して入ってくる人は普通にいます。たまに授業中にフラッと教室から出ていく人もいました。 ――大学の授業みたいですね。先生に怒られたりしないんですか?  先生によっては怒る人もいましたね。厳しい先生はやっぱり怒ります。  ――さすがにそうですよね(笑) 
帰国生に学ぶ「自主性」が人生を変えるきっかけに
――ご自身の成績はどのくらいでしたか?  順位は出ないので分かりません。  ――順位が出ないんですか?  逆に、出るの?という感じです(笑)200人中の上位10人は一年ごとに特待生になって一年間学費免除になる制度があったのですが、その人たちについての「どうやら特待生らしい」という噂がどこからともなく回ってきていたので誰が成績上位なのかということだけは知ることができましたが、それ以外は本当に開示されなかったですね。僕の周りがそうだっただけかもわかりませんが、良い順位をとるというよりは、個人が好きで勉強している環境になっていたと思います。  ――普通は定期テストで順位や平均点がそれぞれ個人に開示されるものだと思ってました!すごいですね!  渋谷教育学園渋谷の特徴として、定期テストはあるのですが、それまでやった範囲中心の出題になっておらず、毎回実力テストに近いものになっていましたね。なので範囲を全部勉強すれば100点取れるというわけではなく、100点はほとんど出ないようになっていました――すごいですね。そうなると、順位を知る機会は模試を受けたときくらいになるのでしょうか?  そうですね。模試ではだいたい上位3分の1くらいの成績だったと思います。数学は得意だったのですが、英語は帰国生が多い影響で校内の英語の平均点がいつも爆上がりするので相対的に苦手科目になっていました。 ――校則から勉強のモチベーションまで、全体的に本当に自主性のある学校ですよね。元からそういう人が集まるようになっているのでしょうか?  それに関してはやはり、周りに触発される部分が大きいと思います。帰国生は海外のそういう血が入っているというか、結構自然と自発的にガンガンやっていくタイプの人が多かったので、それを見て周りも影響を受けているように思います。  ――良いですね!自主的に勉強できるようになりたいと切実に願っている僕からすると本当に良い学校に見えます! そうですね。今のところ良いところしか言ってないので(笑) ――逆に悪いところはあるんですか?  …(しばらく考えて)校庭がないのがちょっと(笑)
45分授業で早めに迎える放課後。渋谷で過ごす自由な学生生活
――校庭がないんですね!都会の学校という感じがします。 渋谷という土地柄もあって校舎もそれなりにきれいだと思いますが、校庭がなく、体育は全部体育館でやっていましたね。9階建てで縦に長く、とても狭い校舎でしたね。 そこに中高一緒に入ることになるので、朝の時間は混雑回避のために高校生はエレベーター使用禁止になっていました。 ――都会ならではの大変さですね。それでも渋谷で学生生活を過ごせると想像するとかなりあこがれる部分もあります。授業は何時くらいに終わりましたか?    1限が8時35分に始まって、6限までの日は14時30分まで、7限までの日は15時25分まで学校という感じでしたね。一般的には50分授業だと思うんですけど、渋谷教育学園渋谷は45分授業となっていて他の学校よりも早く授業が終わります。これも特長の一つですね。他の学校よりも早く授業が終わる分、トータルで増えた自由時間で各自の自主性を活かし、それぞれのタイミングで自習に取り組んで欲しい、という学校の意図があるのではないかと思います。 ――授業が終わるのも早くて良いですね。校舎が渋谷にあるなら、そこからめっちゃ遊べるなって思いますよね(笑) そうですね。中高6年で「宮下公園」が「宮下パーク」になっていくのを登校しながら見守っていたくらいなので立地は最高だと思います。ですが、そんなに遊んでいる話は聞かなかったと思います。遊ぶとしても近くにあるカラオケに行くくらいかな。  ――そうなんですね。学校終わりに近所にある渋谷のカラオケに行く高校生かっこいいですね。映画で見る生活だ、、  土曜日に昼前に授業が終わった日は授業後に皆で渋谷にご飯を食べに行くみたいなのはありましたね。放課後に誰かが「新しくできた焼肉屋ガラガラらしいからみんなで救いに行くぞ」って声をかけて、渋々生皆で行くみたいなイベントもありました。結局その焼き肉屋は1年ちょっとで潰れましたけど(笑) 
自主性を持って取り組む部活動。文化系分野で活躍する天才。
――渋谷教育学園渋谷での勉強や生活についてイメージできてきたところで、部活動についても伺っていきたいと思います。部活はやっていましたか?活動頻度についても教えてください。  中高卓球部でしたね。活動は週4で、金曜日は休みです。部活にはだいたい中学で7,8割、高校で5割くらいの人が入っていたと思います。活動時間はだいたい17時半までだったと思います。高校になると1時間くらい活動時間が増えるようになっていました。中学生は早めに帰ってという感じで。  ――学校が早く終わるのを考えると、部活の時間が長く取れますね。楽しそう。  私もそう思ってたんですけど、楽しく感じるのは最初の3年間くらいで、高校に入ってからはちょっと飽きてきてました(笑)なので高校から中学までとは別の部活を始める人も多かったです。兼部もできました。 ――他の部活も気軽にできるのは良いですね。校舎が狭いとのことでしたが、野球部とかは活動できないんじゃないですか?  野球部やサッカー部には活動する場所がないので、登戸の方のグラウンドを使って活動していました卓球部もスペースの問題で活動場所が週2で地下会議室になってました。会議室の机を端に寄せて、そこに卓球台を入れて狭い中活動してましたね。 ――なるほど。練習は厳しかったりするんですかね。 部活にもよりますが私の入っていた部活は緩く、顧問が月に1回来るか来ないかという状況だったので、完全に自主的に中高6学年併せてやっていました。 ――6学年全体でやるんですか?  そうですね、中高一緒に活動していました。ですが、本当に来たい時に来るという感じで100パーセント任意でやっていたので、幽霊部員もたくさんいました(笑) ーー大学のサークルみたいですね(笑)他の部活はどうでしょう? 顧問によっては厳しいところもあったようです。バスケ部は特に厳しく、練習を休むなんてもってのほか、という感じでした。全体的に部活動が盛んというわけでもないと思いますが、どちらかというと文科系の部活は強く、英語ディベート部や、模擬国連の団体など、よく世界規模の大会で表彰されているのを見ました。やはり帰国子女が多い影響もあって、国際大会で活躍する団体があります。 部活以外にも、毎年一人か二人は数学オリンピック等で賞をとる人がいました。そんな風に俗に言う「天才」みたいな人もいて、実際に話してみるとやっぱり良い意味で変わってて、個人的にそのような出会いがあるのもおもしろくて好きでした。
プロ野球からフーリエ級数まで。考えるを考える1万字の宝物「自調自考論文」
――「自調自考論文」という大学のゼミのような取り組みがあると聞きました。どんなものだったのでしょうか? そうですね。渋谷教育学園渋谷の名物として一番先に出てくるのが自調自考論文だと思います。大学のゼミほどには頻繁に集まらないですが、高校1年の始めから、本当になんでもいいので自分でテーマを決めて、10人くらいの似たテーマの生徒のグループに一人指導教員がついて、3,4か月に1度ロングホームルームの時に集まって生徒同士や教員みんなで話して研究を進め、最終的に10,000字の論文を書いて高2の夏に提出する、というものですね。 ――かなり長期的で大規模な課題ですね。生徒はやる気を持って取り組むのでしょうか?  7割位は普通で、残りの3割がとにかくガチ勢という感じでした。最終的に外部に論文を持っていって発表する人も出ます。中高の集大成として作成するという認識です。 ――そう聞くと仰々しいですね。すごい 。 「自調自考」というのが中高通しての一つの大きな柱で、校長が毎学期集会で講演する「校長講和」というイベントがあるのですが、これも渋谷教育学園渋谷の名物ですね。校長講話ではだいたい哲学の話が展開され、中学1年のころから「考えるとはどういうことなのか」といった話を聞いていました。校長先生自身がとても教養に富んだ方なので、貴重な経験だったと思います(当時の校長先生は現在退任されているとのこと)。 「自調自考」という言葉は各教室にも飾ってあり、中高通しての大きなポリシー、精神のようなものになっています――すごいですね。ご自身は何をテーマに自調自考論文を書かれたんですか?  「筆順・書き順」です。小学校で字を習うときに書き順も習いますよね。個人的に書き順にすごくこだわるタイプだったのですが、書き順の意識は中学校で消えてしまうじゃないですか。そこら辺の大人とかも、もう言葉を失うような書き順で漢字を書く人もいて、その現状を見て書き順の意味、意義を見出したいなと思って決めました。字をきれいに書くことと書き順の関係性について、「きれいな字とは何か」というところから考えて、実際に学校の400人くらいの生徒に正しい書き順とそうでない書き順とで数種類の同じ字をアンケートで書いてもらい、それを一枚一枚スキャンして、結局正しい書き順で書いたものが一番きれいにかけているという結論に帰着させました。 ――お、恐れ入りました…  その「きれいな字とは何か?」を研究しているときに、先行研究を調べる中で初めてフーリエ級数に出会って感動しました。 ――ガチで本格的な研究ですね。  数学ガチ勢の人で、マイナーすぎて証明されていない定理を自超自考論文で証明している人もいました。ユニークなテーマも多く、「プロ野球12球団の次に一つ新しく球団を作るならどこに本拠地を置くべきか」みたいな。なんでもありですね。  ――オリジナリティすごすぎますね!僕は小学校の自由研究ですらテーマが決められなくて兄の研究を丸パクリしてましたよ!! 一応過去にやったことと同じことを研究しても意味がないので、先行研究を調べたうえでそこに存在しないものを選んでいました。 ――そうですよね…… 今でも役に立っているとか、やってよかったとかありますか…? 高校生の時に10,000字程度の論文を、助けを借りながらではありますが、1から自分で一通りやってみたことは、大学でレポートを書くにあたって経験として生きていると思いますね。あとは、一つのことを深く調べる経験は非常に大きいなと今思います。 ――逆に受験勉強の邪魔になったりしませんでしたか? かなり長期で準備の時間が用意されているので、よほどサボっていない限り特に支障になることはないと思います。
人生の指針となる校長講話。時代にフィットする自主性と多様性の校風
――どんな人がこの学校に合うと思いますか? 「新しく部活を作りたい」「国際系の活動がしたい」など、自分で何かしたいと言ったら誰からもNOとは言われないし、むしろ「俺もやるよ」と言ってくれる人すら現れる環境があるので、自分から主体的に動ける人に合うのかなと思います。そして逆に、私もそうだったのですが、主体的に動くのが苦手な人でも、200人が200人それぞれ違う個性を持ったおもしろい生徒が周りにいる環境から良い影響を受けられるので、そういう意味でも、いろんな人と関わりたいと思う人にとっても合うのではないかと思います。 ――この学校に入学してよかったですか? よかったです。前述した校長講和が聞けたのもよかったと思いますし、その校長講話にも同じような話が出ていたのですが、いろんな人との関わりを実際に持てたことは何事にも代えがたくとても貴重だったと思います。そして何より、多様性と自主性がとにかくある学校なので、今の時代に合っていると思いました。
その他
・給食および学食について 食堂がない。給食もなく、お弁当が基本になる。校内の売店でも菓子パンなど少し売ってるのでそれを買って食べたりもする。休み時間にコンビニに行くのは禁止されていた。 ・プールについて プールはない。プールの授業もない。 ・不登校者への対応について 不登校者へのサポートはある。カウンセラーもいて、保健室登校もできる。 ・課題について 課題はそこまでない。全部まとめて土日に1,2時間くらいかけてできる程度。逆に課題だけやっていてもテストができないので、ほかで自主的にやる形になる。高校からは課題はほとんど出ない。 ・教師との距離について 放任主義といっても生徒と先生との距離が全体的に遠いということはなく、六年間ずっと一緒にいるので、それだけ接する機会もあり、 放課後に生徒とだべったりする先生もいる。 ・コース分けについて クラス単位でのコース分けはないが、英語の授業のみ、帰国生だけネイティブの先生が担当する授業を別で受ける。受験期に入る高3からは難易度別の授業に分かれる教科もある。 ・学園祭、体育祭について 学園祭は校舎が狭いのもあって、数年前から入場制限がある。人が多すぎると階段で立往生とかが発生したりしてしまうらしい。 体育祭は近くのトラックを借りて開催する。組体操や集団行動はなく、徒競走や棒倒しのような、無難な種目とのこと。 ・修学旅行について 修学旅行は各学年であり、研修のような名目で中1が鎌倉、中2が長野県、中3が奈良、高1が広島、高2が最後で中国or九州。高2の時はコロナでどちらも行けなかったとのこと。

インタビュアーあとがき

インタビューを通して、「自由」「自主性」という言葉が何度も出ていて、聞き手の僕も終始「すごい」と言っていました。Aさん本人も言っていたように、まさに今の時代にぴったりな学校だと率直に思いました。自調自考論文の話には本当に圧倒されました。自分も4浪4留してるけど、負けないように頑張ろうと思いました。
現在、母校の中高について話を聞かせてくれる大学生を募集中です。詳しくはこちら