白百合学園中学校の卒業生に学校のリアルをインタビュー

皆様ごきげんよう。ボンジュール。優秀な仲間に囲まれ、演劇部で青春を燃やし、一生の友達、一生の趣味を得た6年間

インタビュー日:2022年12月18日

卒業生経歴

白百合学園中学 → 白百合学園高校 → 明治大学法学部(インタビュー時1年生)
今回は、中学受験で見事白百合学園に合格し、幼少から憧れていた演劇活動を中学の部活動で始めたNさんにお話をお聞きしました。生まれ変わってもまた白百合学園に入学したいと言わしめるほど、勉強、部活、友人関係に充実した6年間の様子をご一読ください。
挨拶はごきげんよう。上品で優秀な生徒に囲まれ、大いに刺激を受ける
ーー白百合学園はお嬢様が多いというイメージがありますが、実際はどうでしょうか。 そうですね、良い家柄の子や、お金持ちの子が多いです。長期旅行は海外旅行に行くとか、別荘で過ごすとかは当たり前ですし、習い事で楽器をやっている子も多かったです。私はピアノを習っていましたが、周りにはハープやフルートを習っている子もいて、楽器のバリエーションが豊かでした。 私自身、白百合学園に在学中は周りの富裕さに驚くことはあまりなかったのですが、大学生になって、経済面で苦労している学生を見たりしたときに、自分がいかに恵まれた家庭で育ててもらったのかということを自覚しました。 ーー挨拶は「ごきげんよう」という話を聞いたことがあるのですが、本当ですか。 本当です。先輩や後輩、先生方とすれ違ったときに挨拶をしますが、その言葉は「ごきげんよう」でした。他にも、各授業の始まりと終わりにもクラス全体で先生と挨拶するのですが、このとき使う言葉も「ごきげんよう」です。例えば、「これから数学の授業を始めます、ごきげんよう」みたいな感じです。 ーーかなりお嬢様感のある挨拶ですね。やはり周りの生徒の学力レベルもかなり高かったですか。 そうですね、勉強ができる子は多いですし、普段の会話からも頭の良さは感じました。それに釣られて私も勉強頑張らなきゃと思えて、やる気を引き起こされました。
親塾&通塾で学力を伸ばす。周りは鉄緑勢が多い。
ーーそもそも白百合学園を選んだ理由は何ですか。 元々女子学院志望でしたが、学力的に余裕で受かるという状況ではなかったので、1月末に急遽受験する学校を変更して、合格する可能性の高い白百合学園を受験することにした、というのが理由です。他にも吉祥女子なども受けて、幸運なことに大体合格をいただけました。 ーーでは入学後の成績は良い方でしたか。 それがそうでもなく。入学直後の成績は満足できるものではなく、平均よりやや下といったところでした。そこで母に勉強を教えてもらいながら、徐々に成績を上げていき、最終的には平均よりやや上になりました。 ーーお母様と2人3脚で成績を上げたのですね。塾には通っていましたか。 通っていました。高校1年生から英語の平岡塾に、高校3年生の時には、それに加えて東進ハイスクールにも通っていました。 ーー塾に通いだした動機は何でしょうか。英語が苦手だったからとか? そうでもないのですが、なぜでしょう。良い大学に行くためには、英語は塾で学ばなければならない気がしたというのが本音のところで。多くの子が塾に通っていたからというのも少しあるかもしれません。 ーー他の子はどの塾に通っていましたか。鉄緑会でしょうか。 そうですね、中学から鉄緑会に通っている子は大勢いました。
学校の勉強へのサポートは手厚い。学校の勉強と自習だけで国立上位に行く人もいる
ーーでは、中高時代を振り返ってみて、白百合学園から良い大学に行くために通塾は必要だと思いますか。 実はそうでもないのかな、とも思っています。というのも、全く塾に通っていない人も一定数いて、そういう子の進学先もレベルの高い大学でした。 ですので、学校の勉強の予習・復習をしっかりしたり、課題をコツコツこなしているだけでもレベルの高い大学に行くことはできそうですし、プラスアルファ自分で大学受験用参考書などに取り組めば国立上位に行くこともできるのではないかと思います。 ーー学校からの課題の量は多いと感じましたか。 そこまでではないです。課題を出された当日中に終わらせる人が大半だと思います。明日までに提出とか、次の授業までに提出、というように割と短期の締め切りで宿題を出されるので、自然と毎日コツコツやらなければいけない状況になって、良いペースメーカーになっていたと思います。 でもたまに重い課題は出ますよ。音楽のレポートなどはしんどかったですね。 ーー学校として、成績が芳しくない生徒へのケアは何かありますか。 色々ありますが、補習はその一つだと思います。 定期テストで悪い点数をとると、科目ごとに補講が行われます。テストが終わった後の期間に行われ、中1から高3の全学年から、該当科目の点数が基準点以下だった生徒が1つの教室に集められます。 例えば、数学で基準点以下の点数を取ってしまったとします。すると、この日この教室に集合という指示を受け、当日その教室に行くと、数学で基準点以下を取った中1から高3までの生徒が集められている、という状況になります。 その教室には、中1から高3までの数学の先生方も全員集まっています。 つまり、1つの教室に、全校生徒からその科目の悪かった人全員が集められ、同時に、その科目を担当している全ての先生が集められる、ということです。 そこで、個別指導塾のような授業が展開されます。指示された課題に取り組みますが、わからないことがあればすぐに先生に聞いてマンツーマンで教えてもらえます。その科目担当の先生が沢山集まっていますので。 3学期末の定期テスト後はこの補習対象となる人数が多かったように思います。 ーー補習体制が充実してますね。指導力や人柄の面で良い先生は多かったですか。 良い先生ばかりでした。ほとんどの先生が優しくて面倒見が良かったです。強いて言えば体育の先生だけ運動が苦手な子に少し厳しいなと感じたことはありますが、それも全く常識の範囲内だと思います。 ーー少し大学受験の話を聞かせてください。受験勉強はいつからやりましたか。 高校2年生になってすぐですね。というのも、例年なら修学旅行後にみんな受験モードになるようですが、私たちは高校2年生で行くはずだった修学旅行がコロナでなくなってしまったので、高校2年生になってすぐ受験を意識し始めました。友達とお互いに、どんな受験勉強してる?とか、どこまで進んでる?とか聞く感じです。 高校2年生から文理選択があって、諸々コースがありますが、私は国立文系のコースに進みました。その時同じクラスだった友達十数名と勉強を教えあったりして、一緒に成長できたと思います。 ーー早い時期から、学年全体で受験に向かっている一体感を得られるのは、進学校ならではですね。
フランス語、カトリック。特色のある教育
ーー引き続き勉強についてですが、白百合学園の公式ホームページを見ていると、フランス語の授業があるのですね? そうですね、フランス語の授業は中学では週1回あって、高校は選択制でした。 ーー大学受験では使わない人も多いと思いますが、やりたくないなと思ったことはありませんでしたか。 そういう感覚はありませんでした。大学入学後に第二言語としてフランス語を選べば、今の学習が役立ちそうだと思って取り組んでいました。実際、今大学でフランス語を選択しているので、中学時代にフランス語をやっていて良かったと思っています。 ーー外国語に関連して、ネイティブスピーカーの先生が常駐している「外国語の部屋」というものがあると学校ホームページでみましたが、使っていましたか。 私は使っていませんでしたが、頻繁に通えばその言語が上手くなりそうだとは思います。「外国語の部屋」について少しお話しすると、ネイティブスピーカーの先生が昼休みにいらっしゃる教室のことで、曜日によって英語の先生がいらっしゃるか、フランス語の先生がいらっしゃるか変わります。もちろんよく通っている生徒もいました。 ーー外国語教育も充実していますね。宗教の授業についてはどう思っていますか。 今でもとても役立っていて、何か悩み事が出てきた時に、キリスト教の教えを思い出すと心を落ち着かせることができます。 日本で普通に過ごしていたらキリスト教の中身を詳しく知ることは中々ないと思うので、良い機会をいただいたと思っています。 ーー宗教関係の行事として「修養会」というものがあると学校ホームページでみましたが、これはどのようなものですか。 1年に1回、「修養会」という授業が2日間にわたって行われるのですが、これは、初日は丸1日神父様のお話を聞き、2日目は、半日は引き続き神父様のお話を聞き、その後半日は神父様のお話しについてグループディスカッションをし、発表する、というものでした。この授業は少し大変でしたね。
幼少期から興味のあった演劇。中学から高校まで演劇部に打ち込み、演劇部の友達とは卒業後も続く絆ができた
ーー少し話は変わって、部活動についてお聞きします。何か部活はやっていましたか。 演劇部です。 ーー演劇部とは少し珍しいですね!入ろうと思ったきっかけなどありますか。 元々、演劇が好きだったんです。保育園の年長の時から演劇に興味があったので、白百合学園に入学して演劇部があると知った時は嬉しくて、入部しようと思ったという経緯です。 ーー演劇部はどのような活動内容でしたか。 総勢30人ほどで、週3日練習があって、公演が年に3回あります。学園祭での公演、校内の生徒のみが観覧できる春公演、そして各校から演劇部が集まって劇を披露し合う冬の公演がありました。 コロナ以降は練習頻度が減りましたが、高2の11月まで練習を続け、引退公演をして引退しました。演劇も好きだし、仲の良い友達も沢山できて本当に楽しい部活動でした。今でも遊ぶ中高時代の友達は、ほとんどが同じ演劇部出身の子たちです。お茶やランチにちょくちょく出かけています。 ーー白百合学園は部活動が活発なイメージはありませんでしたが、Nさんの話を聞くと、充実した部活動生活を送れるということですね。 そうですね。全国大会に出る学校のような本当に部活重視の学校に比べると、練習頻度などは少ないと思いますが、進学校でありながらも、部活動に燃えて、成長や充実感を感じることはできると思います。 白百合学園では、中学時代は部活動は必須で、高校からは自由になるのですが、引退まで続ける人が多いです。 ーー勉強以外のことを引き続きお聞きします。体育祭や文化祭、修学旅行ではどんなことをしましたか。 体育祭では、高校3年生の時、クラスが優勝したことが思い出に残っています。この体育祭は少し変わっていて、高校1年生の1組 vs 高校2年生の1組など、同じ組の別学年同士が対戦するようになっていました。こう聞くと高校3年生が一番有利なように聞こえるかもしれませんが、結構下級生も頑張るので、良い勝負になります。私は、ビーチバレーボールの競技に出場し、母親とした秘密の特訓の成果が出て、点数を決めれたのが嬉しかったです。 文化祭では、クラス単位では出し物はせず、基本的に部活単位あるいは有志で集まって出し物をしました。でも、飲食の模擬店は基本的にはなく、食べ物は文化祭実行委員会がまい泉のお弁当やモスバーガーをお取り寄せして販売していたくらいですね。 私は演劇部だったので公演をしていました。運動系のクラブは対戦試合を見せていました。中学受験生は確か入場できましたが、基本的にはチケット制で知り合いしか入場できません。 修学旅行は、高校はコロナでなくなりましが、中学時代は中学3年生の時に、奈良・京都に行きました。日中はタクシーで自由に移動して好きな場所を観光して良いというもので、楽しかったです。 ちなみに、修学旅行ではないのですが、中学1・2年生の時は、「高原学校」という名前の旅行がありました。中学1年生では飛騨高山に行き、周辺の観光をしたり、豊かな自然に囲まれてリフレッシュできました。
生まれ変わってももう一度白百合学園に入学したい
ーーここまで非常に楽しそうに中高時代をお話しして頂きましたが、生まれ変わってもまた白百合学園に入学したいと思いますか。 はい、もう一度入学したいですね。白百合学園は周りが頭の良い子がとても多いので、自然と勉強はやる気になりますし、女子しかいないからこそ、お互い何かと単刀直入に話せていたと思います。卒業後の今、男子に話しかけることに少し抵抗を感じることはありますが、それでも女子校で良かったと思っています。とても楽しい6年間でした。
その他細かい情報
・校則について 持ち物の色の指定が厳しい。例えばお弁当袋や補助バッグの色は黒か紺など。 頭髪については、髪の毛は肩についたら結ぶ等よくあるルール。化粧は禁止だが軽くまつ毛を上げているくらいの子はそれなりにいた。軽く怒られはする。 携帯電話はもちこみはOKだが、使用は禁止。万一、使用しているところを見つかったら、親が取りに来るまで没収される。 ・学校見学会について 学校の雰囲気がとてもわかると思うから是非参加すべし。生徒が校内を案内してくれるのが良い。 ・昼食について 食堂はないため、お弁当を持参する。軽食を販売している購買部もない。パンとジュースを販売している自動販売機はある。 ・プールについて プールはなく、プールの授業もない。水泳部もない。 ・いじめについて 知る限りはなかった。 ・不登校者について 知る限りはいなかった。 ・退学・留年について 知る限りはいなかった。なんとかすくい上げてくれる印象。 ・部活動の時間について 演劇部の話になるが、授業が7限目まである日は、部活動は16時30分〜17時30分、授業が6限目までの日は、部活動は15時30分〜17時30分だった。

インタビュアーあとがき

Nさんのお話で何より印象的だったのは、自身が幼少期から興味を持っていた演劇を白百合学園で始められたことです。とても優秀なお子さんが集まる白百合学園の中で成績を向上させつつ、高校2年生の11月まで演劇に打ち込んで、それを今でも継続されているのは素晴らしいことだと思います。演劇部のお友達とは今も交流があるということで、一生の趣味と一生の友人の両方を得られたのではないかと思います。 これからも、法曹になるという夢を叶えて活躍されることを祈っています。
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